静岡県を騙る偽サイトの裏側

2026年7月に確認された静岡県警を装う偽サイトを調査。偽造書類の検索機能や個人情報収集の仕組みに加え、管理画面のUIやDNS・接続先サーバーの分析から見えた攻撃インフラの実態を解説する。

経緯

2026年7月28日、TBS NEWS DIG Powered by JNNチャンネルからある動画が投稿された。 動画URL(現在は削除されている): https://www.youtube.com/watch?v=kbyA_EW6h4Q

その動画では、静岡県を騙った偽サイトについて注意喚起する内容が紹介されており、 偽サイトの見分け方として以下のように説明していた。

「県によりますと、本物のホームページにはトップ画面に富士山の写真が使われていますが、偽サイトは写真がないのが特徴です。」

TBSのYouTube番組のスクリーンショット

偽サイトの見分け方として、トップ画面に富士山の写真がないことを挙げて説明している

出典:TBS NEWS DIGの動画「静岡県の“偽ホームページ”また見つかる 情報漏洩や特殊詐欺などの被害につながるおそれ」

「トップ画面に富士山の写真があれば偽サイトではない」と思わせるような説明が行われているが、 そのような判断方法は全く適切ではない。 当時閲覧可能だった偽サイトの中には、富士山の写真がきちんと表示されていたものもあった。

静岡県を装うトップページ

pref-shizuokash-sei.comのトップページのスクリーンショット。これは偽サイトだが富士山の画像が表示されている。

出典:Wayback Machine:2026年7月28日のアーカイブ

このような誤った説明をしていたからか、当該動画は現在は削除されている。

なお、静岡県ホームページ上での注意喚起ではそのような見分け方は記述されていない。

静岡県による注意喚起: https://www.pref.shizuoka.jp/kensei/pr/1081681.html

これをきっかけとして、この静岡県を騙った偽サイトが一体何を目的としているのか興味が湧いたため、調査を行なった。

偽サイトの概要

静岡県公式ホームページのドメインは www.pref.shizuoka.jp である。 7月27日、28日に静岡県を騙る偽サイトが存在していることについて、公式ホームページ上で注意喚起が行われた。

28日時点では以下の6つの偽サイトのアドレスが報告されていた。

静岡県が注意喚起した偽サイトのアドレス

  1. pf-shizuoka.com
  2. pref-shizuokas.com
  3. pref-shizuokash.top
  4. pf-shizukai-sic.com今回の調査対象
  5. psf-shizuki-sc.com今回の調査対象
  6. pref-shizuokash-sei.com今回の調査対象
日付は静岡県の注意喚起に記載された発見日。出典:静岡県公式ホームページ(2026年7月28日更新)。

この記事で扱うのは pref-shizuokash-sei.com、psf-shizuki-sc.com、pf-shizukai-sic.com の3ドメインである。

なお、他のドメインについては、既にサイトがダウンしていたため調査できなかったが、 Wayback Machineやurlscan.ioなどのアーカイブには記録が残っていることがあるので、興味があれば見てみると良いかもしれない。

静岡県を装うトップページ (再掲)

pref-shizuokash-sei.comのトップページのスクリーンショット。これは偽サイトだが富士山の画像が表示されている。

出典:Wayback Machine:2026年7月28日のアーカイブ

偽サイトの外観は公式サイトと酷似しているため、トップページだけを見て本物・偽物を区別するのは困難だろう。

改変されたページ

一見すると正規サイトと瓜二つの外観を持つ偽サイトだが、単に同じコンテンツを複製して公開したところで、攻撃者側に何のメリットもない。 では一体どんな目的でこれらの偽サイトは公開されていたのだろうか?

その答えは 「特殊詐欺」、より具体的には 「ニセ警察詐欺」 である。(ニセ警察詐欺については、警察庁の解説ページ を参照)

以下は、正規のサイトと偽サイトにおける、静岡県警察のページスクリーンショットの比較である。 どこが改変されているかお分かりいただけるだろうか(※撮影時期の違いによる写真やお知らせの差異はご容赦いただきたい)。

本物の静岡県警察のページ

本物の静岡県警察のウェブページのスクリーンショット

出典:公式の静岡県警Webサイト (2026年10月10日閲覧)
偽の静岡県警察のページ

偽の静岡県警察のウェブページのスクリーンショット

出典:urlscan.ioで2026年8月25日に取得されたpf-shizukai-sc.comのアーカイブ

答えは、ナビゲーションバー右端である。

本物の静岡県警察のページのナビゲーションバー

本物の静岡県警察のナビゲーションバー右端は「採用情報」「相談・要望・苦情」

出典:公式の静岡県警Webサイト (2026年10月10日閲覧)
偽の静岡県警察のページのナビゲーションバー

偽の静岡県警察のナビゲーションバー右端は「在宅捜査の申請」「氏名番号 検索」

出典:urlscan.ioで2026年8月25日に取得されたpf-shizukai-sc.comのアーカイブ

「採用情報」「相談・要望・苦情」の代わりに、 偽サイトでは 「在宅捜査の申請」 「氏名番号 検索」 となっていることがわかる。

制度として在宅捜査というものは存在するが、ウェブサイト上で案内するようなものではない。 ここではおそらく、被害者をLINEなどのビデオ通話に誘導するための口実として利用されているものと考えられる。

改変されたこれらのナビゲーションバーは、どんなページに繋がっているのだろうか?

「在宅捜査の申請」- 個人情報の収集

「在宅捜査の申請」をクリックすると、以下のような「情報登録」フォームのあるページが表示された。 ただし、URLパスとしては従来の採用ページと同じ /police/saiyo/index.html となっている。

在宅捜査の申請ページ

県警の名称とマークの下に個人情報・金融情報を入力するための「情報登録」フォームが表示されている

出典:Wayback Machine:2026年7月28日の情報登録ページ

このフォームでは以下の個人情報を入力させられるようになっている。

情報登録フォームの項目

01

基本情報

  • 氏名
  • 出生月日
  • 郵便番号
  • 住所
  • メールアドレス
02

口座情報

  • 銀行名称
  • 支店名称・番号
  • 口座番号
  • 活期残高
  • 定期金額
03

認証・利用状況

  • 暗証番号
  • ネットバンキングの有無
  • ワンタイムパスワードの有無
04

その他の資産

  • 株・証券
  • 貴重品
  • タンス預金

銀行に関する情報だけでなく、物理的な貴重品やタンス預金についても欄が存在するのは、 闇バイトの「タタキ」を連想させるが、関連を裏付ける証拠は存在しないため、あくまで推測に留まる。

最終的に「一括送信」ボタンを押すと /police/saiyo/submit.php にPOSTリクエストが飛び、 サーバーに保存されるようになっている。

このように、「在宅捜査の申請」ページは個人情報を入力させるためのページであることがわかった。

「氏名番号 検索」- 偽造書類の提示

さて、「氏名番号」とは聞き馴染みのない単語だが、どのようなページなのだろうか? 結論から言えば、このページは 逮捕状 を表示するページである。

氏名番号検索ページ

検索欄に888を入れて検索し、逮捕状(緊急逮捕)の画像が表示された画面

出典:2026年7月28日に取得した psf-shizuki-sc.com のスクリーンショット

このような検索欄があり、数字をいれて検索を行うと対応した 偽造書類 が表示されるようになっていた。 ここでは888を入力し、実際に「逮捕状(緊急逮捕)」の画像が表示された。

以下は、偽造書類の具体例である。個人情報は黒塗りでマスクしているが、他はそのままである。

逮捕状を模した文書一部をマスク

警視庁の名前を用いた偽の「逮捕状(緊急逮捕)」

出典:2026年7月28日に偽サイトから確保した画像。ファイル名は "2026_03_30_00_25_57_photo_2025-08-15_13-00-58.jpg"

これは、SMSなどを通じて被害者に『氏名番号』を伝えて偽サイトへ誘導し、 正規の県警サイトだと信じ込ませた上で、 被害者自身の手で偽の逮捕状を検索・確認させて心理的に追い詰める手口だと推測される。

表示される氏名や住所が誤っていれば被害者は不審に思うため、 偽造書類上の個人情報は、事前に名簿等から入手された本人の真正な情報であると考えられる。

以上が、表層から見た偽サイトの様相である。

偽サイトの裏側

これらの偽サイトには共通して 管理画面へのアクセス経路 が存在した。 以下は pref-shizuokash-sei.com における管理ダッシュボードのログイン画面(/admin/login.php)のスクリーンショットである。

「后台管理中心(バックエンド管理センター)」「用户名(ユーザー名)」「密码(パスワード)」「立即提交(今すぐ送信)」と表示されており、 中国語(簡体字)が用いられていることがわかる。

管理者ログイン画面

偽サイトの管理者ログイン画面

出典:2026年7月28日におけるpref-shizuokash-sei.comのスクリーンショット

このログイン画面にはOPSEC上の失敗がみられ、実際にダッシュボードへのアクセスが可能であった。 以下がそのダッシュボードのスクリーンショットである。 なお、三種類ある偽サイトのそれぞれが個別のダッシュボードを持っており、 データは共通ではなかった。

管理ダッシュボードの逮捕状検索管理ページ一部をマスク

逮捕状検索管理ページでは、検索番号ごとに書類やキャッシュカードの画像が登録されている

出典:2026年7月28日の調査画面:逮捕状検索管理

ダッシュボードのUIは基本的に中国語であるが、 一部メニューは「優先調査の申請」など日本語のものも見られ、統一されていなかった。

このダッシュボードでは逮捕状の代わりに「資産凍結逮捕状」と加工された偽の「キャッシュカード」が用意されていた。

「資産凍結逮捕状」一部をマスク

静岡地方裁判所を騙った偽の「資産凍結逮捕状」

出典:2026年7月28日に偽サイトから確保した文書画像。ファイル名は"2026_07_09_11_58_12_◼︎◼︎ 金融調査について01_page-0001.jpg"。氏名と思われる部分を◼︎で置き換えている。
偽のキャッシュカード一部をマスク

偽サイトから確保したキャッシュカードの画像。粗雑な画像加工をして使いまわされており、カードの番号はどれも同じであった。

出典:2026年7月28日に偽サイトから確保した文書画像。ファイル名は"2026_07_04_13_22_19_photo_2026-07-04_14-00-25.jpg"

逮捕状だけでなく、このような資産凍結を脅し文句としたバージョンの偽サイトも存在していた。 なお、「資産凍結逮捕状」という名前の逮捕状は存在せず、明らかなニセ警察の手口である。

psf-shizuki-sc.com の管理画面にも同種の一覧がある。 先程の資産凍結のダッシュボードは93件が登録されていたが、こちらは11件のみであった。

別の偽サイトのダッシュボード一部をマスク

psf-shizuki-sc.comの管理画面。偽造書類が異なる他、サイドバーのメニューにも違いがある。

出典:2026年7月28日の調査画面:psf-shizuki-sc.comの逮捕状検索管理

偽造書類内容も異なっており、こちらでは守秘義務に関する文書が確認できる。

守秘義務誓約書を模した文書一部をマスク

静岡県警察捜査二課を騙った偽の守秘義務誓約書。機密情報を含む事件への協力を主張している。

出典:2026年7月28日に偽サイトから確保した文書画像。ファイル名は"2026_07_27_17_51_51_静岡縣 保密令改改改_01.png"

他にも以下のような偽造書類を確認することができた。

資産凍結令一部をマスク

マネーロンダリング事件の容疑者だと主張する偽の資産凍結令。

出典:2026年7月28日に偽サイトから確保した文書画像。ファイル名は"2026_07_27_20_24_28_冻结管收改改改_01.png"
守秘義務誓約書一部をマスク

第三者への口外を禁止することに同意するように求めている

出典:2026年7月28日に偽サイトから確保した文書画像。ファイル名は"2026_07_04_13_22_12_Screenshot_1.png"

収集された個人情報

管理画面の「情報列表」には氏名や住所などの個人情報と金融情報の項目が表形式で表示されていた。 「在宅捜査の申請」で送信された情報がここに送られると推測されるが、 調査時点の管理画面上では、実在の被害者が送信したとみられる有効な個人情報は確認できなかった (表示されていたのはテスト入力や罵倒と思われる文言のみであった)。

個人・金融情報の一覧

情報一覧の保存画面。氏名や連絡先とともに口座番号・残高・暗証番号の列があるものの、実際に収集された個人情報はなかったと言える。

出典:2026年7月28日の調査画面:情報一覧ページ

オンライン通話の窓口

psf-shizuki-sc.com の管理画面には「オンライン相談 > 房間管理(部屋管理)」というページがあった。 「担当者として入室」や「一時リンク生成」のような日本語のボタンも見える。 pf-shizukai-sic.com にも同種の部屋管理画面が保存されていた。

管理者向けのオンライン通話管理画面一部をマスク

オンライン通話を行うためと思われる管理画面

出典:2026年7月28日の調査画面:psf-shizuki-sc.comのオンライン通話管理画面

マスクしている部分は氏名番号と氏名であった。

「役割管理」のページには「警視庁 職員」「代理人」「弁護士」「利用者」という名称が設定されていた。

役割管理

「警視庁 職員」「代理人」「弁護士」「利用者」の4つの役割が用意されている

出典:2026年7月28日の調査画面:役割管理

ダッシュボードからこのようなオンライン通話を行うための管理ページがあったことから、 閲覧者・被害者側のアクセスするページもないか探したところ、実際に存在したことが確認できた。 以下は偽サイト上のページ (/cyber.html) のスクリーンショットである。

閲覧者側の通話入口

閲覧者向けのオンライン相談ページ。部屋番号と氏名の入力欄がある。

出典:2026年7月28日の調査画面:psf-shizuki-sc.comのオンライン相談入口

コピー元の静岡県サイトとは似ても似つかない、いかにも生成AIで粗雑に出力されたようなデザイン(いわゆるAI-slop)である。 実際、管理ダッシュボードの他のページには「このWebサイトは学習用のものである」のようなことを説明した不自然なページもあり、 これらのダッシュボードの改造や偽サイトの改変は、検閲を回避するプロンプトを与えながら開発されたものと推測される。 (そのページのスクリーンショットを撮り忘れたことが非常に惜しい)

ドメインとサーバー

偽サイトのドメインの接続先

3つの偽サイトのドメインは、それぞれ同じ親ドメイン kqpeojg.top の異なるサブドメイン (sucmakvx.kqpeojg.top, 4sext25c.kqpeojg.top, p7jv2ds5.kqpeojg.top)をCNAMEとして参照していた。 さらにそれらはCNAMEとして jsrqkbn2.n.kqpeojg.top を指しており、最終的に 同じIPアドレス 94.154.43.193 へ到達する構成であった。

偽サイトのドメインの接続先

  1. 偽サイトのドメイン

    pref-shizuokash-sei.com

    CNAME

    sucmakvx.kqpeojg.top
  2. 偽サイトのドメイン

    pf-shizukai-sic.com

    CNAME

    4sext25c.kqpeojg.top
  3. 偽サイトのドメイン

    psf-shizuki-sc.com

    CNAME

    p7jv2ds5.kqpeojg.top

CNAME

jsrqkbn2.n.kqpeojg.top

kqpeojg.top のサブドメイン

接続先IP

94.154.43.193

オランダ / アムステルダム

このIPを支える事業者 2026年10月11日 / RIPE登録情報

IPアドレスの割当先
FOP Danik Vyacheslav Evgenievich登録住所:ウクライナ / ハルキウ
通信経路の運営事業者
Storm Industries LLCAS219502 / STORMCLOUD-AS登録住所:米国 / アルバカーキ

接続先IP・AS番号・位置表示:7月28日9時42分13秒(日本時間)のurlscan記録。経路の追加照合:RIPEstat。

10月11日にRIPEの登録情報を照合すると、IPの割当先はウクライナ・ハルキウの FOP Danik Vyacheslav Evgenievich、 AS219502の登録事業者は米国・アルバカーキの Storm Industries LLC であった。

Storm Industriesの公式ページでは、同社は StormCloud のネットワークを運営し、 VPS・専用サーバー・共有ホスティングを提供していると説明されている。

ドメインの登録先とDNSの提供元

ドメインの登録情報をVerisignのRDAPで調べた。 pref-shizuokash-sei.com と pf-shizukai-sic.com の登録先は香港の Dominet (HK) Limited であり、 ICANNの一覧ではAlibaba Cloudの登録サービスとして案内されている。 psf-shizuki-sc.com の登録先は同じく香港の West263 International Limited(西部数碼) である。

ネームサーバーは3ドメインとも NameMart の ns1.domainnamens.com と ns2.domainnamens.com であった。 同社はシンガポールや香港などに拠点を持つ。

接続先で共通して使われていた kqpeojg.top の登録先もDominetであった。 このドメインのネームサーバーには Alibaba Cloud DNS の vip7.alidns.com と vip8.alidns.com が登録されていた。 登録日時は2026年4月10日14時45分19秒(UTC)である。 .topレジストリのRDAP

ドメインの登録先とDNSの提供元

レジストラ

Dominet (HK) Limited

香港 / Alibaba Cloud / IANA 3775

  • pref-shizuokash-sei.com
  • pf-shizukai-sic.com

レジストラ

West263 International Limited

香港 / 西部数碼 / IANA 1915

  • psf-shizuki-sc.com

3ドメイン共通のDNSサービス

NameMart

シンガポール・香港などに拠点

  • ns1.domainnamens.com
  • ns2.domainnamens.com

ネームサーバーのIPと割当先 2026年10月11日 / DNS・RDAP照合

ns1.domainnamens.com
104.167.89.218IP割当先:eSited Solutions米国 / ロサンゼルス(登録住所)IPの登録情報
ns2.domainnamens.com
5.180.41.47IP割当先:ENZU Inc.米国(IP登録上の国)IPの登録情報

共通CNAMEの親ドメイン

kqpeojg.top

登録先:Dominet (HK) Limited / 香港

2026年4月10日登録(UTC)

親ドメインのDNSサービス

Alibaba Cloud DNS

  • vip7.alidns.com
  • vip8.alidns.com

登録先:Verisign RDAP(下表)、.topレジストリのRDAP。レジストラの所在地:ICANNのDominet・West263の登録情報。

DNSサービス:NameMartのDNSSEC設定手順・拠点一覧、Alibaba CloudのDNSサーバー一覧。NSのIP:Google Public DNSのns1・ns2への問い合わせ。

ドメインの登録日時

Verisign RDAPからは、以下のドメイン登録日時とレジストラが確認できた。

2026年10月10日取得のVerisign RDAP情報(日本時間換算)。
ドメイン登録日時レジストラ10月10日の状態
pref-shizuokash-sei.com7月3日 02:07:14Dominet (HK) Limitedclient hold
pf-shizukai-sic.com7月12日 18:54:50Dominet (HK) Limitedclient hold
psf-shizuki-sc.com7月24日 12:36:11West263 International Limitedclient hold

10月10日の登録情報では3ドメインとも client hold、 レジストラがDNSでの有効化を停止するステータスが含まれていた。

おわりに

今回は静岡県を騙った偽サイトについて調査し、それらがニセ警察詐欺に利用されていることを明らかにした。 実際に詐欺に利用される偽造書類や管理ダッシュボードも調べ、その手口の一端を確認した。

2026年10月時点の日本では、多くの企業から個人情報が流出する事案が発生している。 流出した個人情報はこのような詐欺に悪用される可能性があるだろう。 また、ダッシュボードの改造やオンライン通話ページの作成において、LLMの利用が示唆される痕跡も確認されていた。 LLMを含めたAI技術の発展によって、より高度な技術が詐欺に利用されることも想像が容易である。 今回の調査対象は非常に粗の多いものであったが、 これらが洗練されていくと本物と区別がつかなくなることも十分に考えられる。

私たちにできることは、

  1. 個人情報を必要以上に外部に登録しない
  2. 詐欺の手口を知る
  3. 困ったら誰かに相談する

といったことになるだろうか。

警察や周囲の人など、他人に相談することが被害を防ぐ最も強力な手段であることは間違いない。 一方で、今回発見した「守秘義務命令」のように口止めを強いる脅し文句は特殊詐欺の常套手段であり、 被害者を孤立させて誰にも相談させない手口が多用される。 脅迫されたり判断を急かされている状況下では、周囲に助けを求める心理的ハードルが極めて高くなることも十分にあり得る。

攻撃者はAI技術を悪用してより巧妙な攻撃を仕掛けてくるが、 私たちもAI技術を活用して対抗することができるはずだ。 例えば、第三者への口外を禁じられて孤立していても、 ChatGPTなどのAIに状況を相談できれば、客観的な視点を取り戻して被害を抑えられる可能性がある。 さらに、ローカルでセキュアに動作するモデルが普及すれば、 SMSやビデオ通話の内容から不審なやり取りを検知し、リアルタイムに警告を発するような対抗手段も期待できるだろう。

発展する技術に対して、私たちも技術をもって対処していく必要があるだろう。

出典

  1. 静岡県:静岡県をかたる偽ホームページへの注意喚起 — 2026年7月28日更新。偽アドレスと発見日を確認。
  2. 警察庁:ニセの警察ウェブサイトに誘導する手口 — ビデオ通話と偽サイトを組み合わせる手口。
  3. urlscan.io:2026年7月28日のスキャン — pref-shizuokash-sei.com の接続先IPを確認。
  4. Wayback Machineのアーカイブ — prefのトップページ、psfのトップページ、情報登録フォーム、guardスクリプト。
  5. Verisign RDAP — pref、pf、psf。登録情報とステータスを確認。
  6. ICANN:EPP Status Codes — clientHold のステータス仕様。
  7. ICANNの認定レジストラ一覧 — Dominet、West263。所在地とサービス情報を確認。
  8. NameMart — DNSSEC設定手順、拠点一覧。domainnamens.com のネームサーバーの提供元を確認。
  9. .topレジストリ:kqpeojg.topのRDAP・Alibaba Cloud:DNSサーバー一覧 — 共通CNAMEの親ドメインの登録先とDNSサービスを確認。
  10. RIPE — 接続先IPのRDAP、AS219502のRDAP、RIPEstatの経路情報。IPの割当先と通信経路の事業者を確認。
  11. Storm Industriesの公式ページ — StormCloudのネットワーク運営とホスティングサービスの説明。

画像の拡大表示